ヒューマン2.0を読んだ

ヒューマン2.0―web新時代の働き方(かもしれない) (朝日新書)

ヒューマン2.0―web新時代の働き方(かもしれない) (朝日新書)

先日読む前に「こんなことが書いてあったらいいな」ということの半分は書かれていて、半分は書かれていなかったようだ。
この著者はとっても頭のいい人だと思う。
文章にそれが表れていて、こういう文体がとっても好きだ。


この本は7章と8章だけ読めば良い。と思う。
というか、この著者はここがいいたかったわけで、
ここについての結論があって、6章までを肉付けしたんだと思う。
6章までは、シリコンバレーの働き方や文化の話だ。
結果的には読んだ方が理解は深まるんだけどね。


7章にある、これからの働き方にあるのは、
フリーランス
・ライフスタイルワーカー
・チャンクワーカー
ポートフォリオワーカー
である。

うしろの3つは働き方、の話で、以下の通り。

ライフスタイルワーカーは、フリーランスの一形態とも言えるのだが、「どこで暮らすか」「どんな生活をするか」というライフスタイルを重視し、それに適合する働き方をする人たちのこと。住みたいところに住み、やりたいことをすることを第一に、それが実現できる仕事を選ぶ。

チャンクとは塊のこと。
「何年か仕事をしたら、すっぱり仕事をやめて、半年とか1年など長期にわたって旅行をする」
というように、仕事を一生連続する物としてとらえず、一定期間ごとの「カタマリ」としてまとめ働きする人たちのことである。

ポートフォリオワーカーは、いくつかの仕事を掛け持ちする人。

それぞれ理解できる。
そして、フリーランス。ここで語られているフリーランスとは、「超」専門的な仕事を請け負う人たちのことで、契約形態のことではない。
契約形態は、さまざまで、法人にしても個人契約にしてもいろいろなんだという。
この「超」専門的必殺仕事人が仕事をしやすい環境がすでにあるというのはなんともうらやましい話だと思う。


スイミーワーキング議論で論点となっているのは、
・あるプロジェクトを、細分化して割り振る際に、どの程度の粒の大きさにすれば、各々のモチベーションが担保できるか
・時間と場所の壁をとりはらってしまって、実際にまわすことが可能なのか
のようなこと。


それらについても一部ヒントになりそうなことが書かれていた。
細分化についても、「手分け」のようにやみくもに分けるのではなく、各専門的なコンポーネントごとに分けるべしと。そしてシリコンバレーの彼らはそれに慣れているとのこと。
また場所の壁だが、電話会議というものは割と慣れてしまえば仕事になるとのこと。


だから半分書かれていて、半分書かれていない。
でも議論の種になりそうだ。読んで良かったかも。


付けて加えて、「ライフスタイルワーカー」なるものを実践している人がいて、その事例が書かれていたのは面白かった。
そんな言葉知らなかったけど、私が憧れているのはまさにこれだよ。
日本一周しながら仕事ができないかってずっと考えてて、スイミーワーキングを考える一つのきっかけになっているわけだし。


ひとつ気をつけないといけないのは、ヒューマン2.0で語られているような働き方は、「めちゃくちゃ仕事がデキル」人じゃないと、実現できないということ。
実現に向けて、イメージを明確にするきっかけになって良かった。一石二鳥。